観察 | 海の生物:31(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
能登島 松島海水浴場:ナマコの判別は難しい。「フジナマコ?」
おそらくこのナマコは、「フジナマコ」だと思う。イソナマコにも似ているのだがイソナマコは小型で、このナマコは30cm程度で小型と言えない。特徴からしてフジナマコが合う。「ニセフジナマコ」と言うナマコもいるとのことだが判別がまったくわからない。こんきあは、「フジナマコ」としてその特徴を記述する。「フジナマコ」は、潮溜まりや潮間帯下部に生息し磯で見られるナマコの一種。
体が固いのが特徴で20cm~30cm程度で最大50cm程度になる大型のナマコ。体表が、淡い褐色で、いぼ足や管足はほぼ縦列に並び濃褐色。口は前端腹面にあって、そのまわりに 20個の触手がある。体表がフジの樹の樹皮のように見えることからこの名前が付いたとのこと。図鑑やインターネットで紹介されている「フジナマコ」の写真もさまざまな種類が掲載されていて、どれが本当のフジナマコなのかわからないの現状だ。本ホームページでは、この写真と似た形がフジナマコだという意見が多いのでフジナマコとした。
(Data:2015/05/02)
能登島 松島海水浴場:毒があるヒトデ。「トゲモミジガイ」
このヒトデが、「トゲモミジガイ」。砂底に中心に生息し潮間帯でも見れ15cm程度にまでなるモミジガイ科の大型のヒトデ。トゲモミジガイは、体色が暗い褐色(こげ茶色)で上向きの粗く鋭い棘がある。腹面は、鮮やかな赤だ。モミジガイは、茶褐色または灰青色で棘が密で細い。腹面は、淡褐色なので容易に見分けることができる。夜明けや夕方などの薄暗い時間帯に活動し、水中での移動速度ガ速く砂を蹴るようにして歩く。棘は多いが、手に刺さることはなく、棘に毒はないといわれている。ただ、体内にテトロドトキシン(フグ毒)を持ち、大型貝の毒化の原因になっているとされるので、トゲモミジガイを食べるたり潰して遊ぶとことはやめるべきだ。また、長時間他の魚などと同じ容器に入れるとことは避けた方がいい。表皮に、ヒトデヤドリニナが寄生することが多い。 (Data:2015/05/02)
能登島 松島海水浴場:磯よく見かけるエビのひとつ。「スジエビモドキ」
磯でよく見かけるエビの一つで、これが「スジエビモドキ」。海藻が生えている磯から内湾や河川の河口域で見られる。体が透明で足に黄色い斑点が等間隔で入り、長いハサミを持ち体長が最大で5cm程度になる。「イソスジエビ」によく似ているので間違えられることが多い。「イソスジエビ」との違いは、体の黒筋模様ほ本数が少ないことと腹部にスジがあることで簡単に見分けられる。また、額角の先端がほぼまっすぐ前を向いていることもイソスジエビとの違いだ。エビヤドリムシなどの他の生物によって寄生されることも多い。釣りのエサとしてもよく利用される。(Data:2015/05/02)
能登島 松島海水浴場:春の訪れを告げる卵。「タマシキゴカイの卵塊」
5月~6月にかけて、砂の海底にぶよぶよしたクラゲに似ているものがあちらこちらに。これが「タマシキゴカイの卵塊」。ゼリー状の中をよく見てみると小さな卵がいくもある。タマシキゴカイの卵は水中では丸くふくらんでボールのようになる。タマシキゴカイ科は、ミミズのような環形動物で砂底などに穴を深く掘って生息している。はじめは、この卵が、ゴカイの卵だとは誰も想像できないだろう?このタマシキゴカイの卵塊は、春の訪れを告げる卵なのだ。(Data:2015/05/02)
能登島 松島海水浴場:砂底に不思議な砂の山。「タマシキゴカイの糞の山」
これが、「タマシキゴカイの糞の山」。指で触ったり強い波がくるとすぐに崩れてしまうやわらかいもの。糞と言うと汚いオメージを持つが、このタマシキゴカイの糞は、体内に取り込んだ砂から微生物などの有機物を食べた残りの砂なので、逆にきれいな清潔な砂なのだ。消化できなかった砂などが糞として排出されているので、周りの砂よりむしろきれい。タマシキゴカイの糞の山は、海のお掃除をした後でもある。糞塊の下に巣があることが多い。最近では、このタマシキゴカイも、少なくなってきているとのこと。(Data:2015/05/02)
能登島 須曽防波堤:春告げ魚と言われる魚。「メバル/シロメバル」
これが、知られている「メバル/シロメバル」。日本の北海道から九州にかけての沿岸域の岩礁帯の藻場に生息し中層に泳いでいて、立ち泳ぎ(ホバリング)していることも多い。小規模な群れを作ることも多い。アカメバルやクロメバルと違い内湾に多い。メバルは、100年以上に渡り何種にも分けられたり単種として扱われたりと混乱があったが2008年にDNA解析により、アカメバル・クロメバル・シロメバルの3種になったとのこと。写真のメバルは、「シロメバル」。全長は、20cm~30cmほどで、体はカサゴよりも幅が薄く体高が高い。数本のぼんやりとした黒い横縞があり口と眼が大きい。「メバル」という和名も大きく張り出した眼から命名された。「シロメバル」は、白っぽい個体が多いが、金色っぽい個体も多く3種のうちでは体高が高くがっちりしている。胸鰭軟条は16本のことが多い。カサゴと同じく卵胎生で、冬に交尾したメスは体内で卵を受精させ1ヶ月後くらいに数千匹の稚魚を産む。春告げ魚(はるつげうお)とも呼ばれ、日本では美味で人気の高い食用魚だ。(Data:2015/05/04)
能登島 須曽防波堤:誰もが知っている身近な魚。「マイワシ」
誰もが知っている魚の「マイワシ」。東アジア沿岸域に分布する海水魚。海岸近くから沖合いまでの海面近くに生息し、大群を作って泳ぎ紡錘形で細長い。背は黒く、腹は銀白色。鰭に棘がなく、背鰭は体の中心にある。近似する「ウルメイワシ」や「カタクチイワシ」との見分け方が、体が大きく体側に縦に並ぶ黒い斑紋がある。(写真で、黒の斑点が薄らいでいる。)黒色斑列は、1~3列あるが、稀に黒色斑が無い(薄くて見えない)個体もいる。産卵期は、冬から晩春(2月から5月)で、産卵数は3万~5万粒の卵を数回に分けて産む。2年から3年程度で20センチ前後に育つ。沖合、沿岸域を回遊しながら動植物プランクトンを食べている。「マイワシ」「ウルメイワシ」や「カタクチイワシ」の見分け方は、本Shizengateの「磯遊び(14):10月末 秋の磯遊び(葉山 柴崎海岸)」で紹介している。 (Data:2015/05/04)