観察 | 海の生物:33(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
真鶴半島 岩海岸:幅2cmで成体の小さなヒトデ「チビイトマキヒトデ」
はじめは、この小さなヒトデはイトマキヒトデであかちゃんかと思いきや、これが成体。このヒトデは「チビイトマキヒトデ」。イトマキヒトデ科のヒトデで、大きさが幅長2cmまでの小型種で星形をした五角形で腕が短い。幅部の長さは間幅部の長さの1.5倍以下で他の小さな(4cm程度)のヌノメイトマキヒトデやトゲイトマキヒトデよりも五角形に近い形。色は、緑白色、青緑色、灰褐色地に暗褐色の斑紋を散らしたものなどさまざまで、縁辺部は赤い。腹側の色は、白色もしくは黄白色なので他のイトマキヒトデと見分けるポイントにもなっている。チビイトマキヒトデは、卵と精子を同時に持つ雄雌同体で自家受精するめずらしい生き物。(Data:2015/08/02)
真鶴半島 岩海岸:足糸でしっかりと岩に付着する貝「ミミエガイ」
「ミミエガイ」は、房総半島以南の潮間帯の岩礁や岩の下に生息するフネガイ科の貝。足糸で岩や岩盤に付着する。殻長が約1,5cmと小さいがよく膨らみ長方形に近い。色は、黄褐色が多い。表面にやや顆粒状の細かい放射助が並んでいる。靭帯部分は、平らで黒い。似ているヨコヤマミミエガイ、マルミミエガイとは、靭帯部分が黒い菱形をしているところから見分けられる(Data:2015/08/02)
真鶴半島 岩海岸:一見地味でも磨けば光る「クマノコガイ」
「クマノコガイ」は、クボガイ科に分類される巻貝。房総半島以南の日本全国から台湾、中国沿岸にかけ分布し温暖な岩礁海岸で見られ満潮線から水深10m程度までに生息する。成貝は殻高・殻径とも35mmになるが平均15-30mmほどの個体が多い。干潮時は、岩の隙間に隠れるか、大きな石の裏でさかさまになって付着している場合が多い。 また、満潮線付近の石の下でイシダタミ、タマキビなどと同所的に見られることもある。貝殻はやや丸みを帯びた円錐形で、表は滑らかで上面に細かい成長肋が斜めに走り殻底は丸みを帯びる。殻上面の色は、一様に鈍い黒で海藻が生えることはない。個体によっては褐色や緑色を帯びる。殻の底は白っぽく、臍孔はくぼみ孔は開かないが真珠光沢がでて中心部は緑色か橙色を帯びるクボガイ属に共通する特徴が見えれる。蓋は、褐色。夜などに光を当てると岩から離れ、転げ落ちる性質がある。和名は、殻上面の質感がクマの毛皮を想わせることに由来するらしい。「クマノコガイ」は、一見地味なのだが、表面を磨けば弱い光沢のある真珠層が見えはじめ光る貝殻になる。 「いそもの」とか「いそ玉」と総称され、味噌汁の具や醤油と砂糖で煮て食べれる。 (Data:2015/08/02)
南房総 沖ノ島:キモカワ生物の「ムカデメリベ(旧 メリベウミウシ)」
岩の下に何やら大きなゼリーっぽい質のやわらかな物体がいた。これ「ムカデメリベ(旧 メリベウミウシ)」と言うウミウシの仲間。以前は、「メリベウミウシ」と言われていたがが、メリベウミウシが「ムカデメリベ)とヒメメリベに再分類されたとのこと。「ヒメメリベ」は、口唇縁の触手が2列に対し、 ムカデメリベ は2~5列らしく口縁触手の数で区別できるとのこと。ムカデメリベ(旧 メリベウミウシ)は、太平洋側では房総半島以南、日本海側では青森県以南の磯や藻場に生息する。一般的なウミウシは、カイメンなどを食べるがムカデメリベ(旧 メリベウミウシ)は、水中プランクトンを食べるが甲殻類や小魚をも餌にする。体色は、半透明の飴色(変異も大きい。)で消化器官が透け見え柔らかく背中に5~9対の平たい突起を持つ。この突起はもろく、触るとち切れてしまう。ナメクジ上の体には、多数の褐色小斑が散在していて中には模様のあるものもいる。一番の特徴は、伸縮自在の袋状になっている巨大な口。口の縁には、小触手が密生しラッパ状に広がり小型の甲殻類などをつかまえて食べる。体長15cm程度までなる。水中では、身をくねらせながら泳ぐ。また、敵から身を守るため触ると青臭いような揮発油のような臭いを発する。(Data:2015/08/13)
南房総 沖ノ島:よく見かけるタカラガイ「オミナエシダカラ」
生きているタカラガイを発見。このタカタガイは、「オミナエシダカラ」。関東南岸では、多く見つかるタカカラガイの一つ。灰褐色の背面に斑点が入り、その上に乳白色の滑層が覆うことから別名を「チチカケナシジダカラ」と言う。殻は白っぽい色で、白と褐色の斑点があり生きているときは膜でおおわれている。成長した個体では背中まで乳白色になる。タカラガイには珍しく時々ヤドカリが入っていることがある。砂浜などで打ち上げられた「オミナエシダカラ」は、表面が削れて紫色の下地が見えてくる。(Data:2015/08/13)
南房総 沖ノ島:10本の無棘の歩帯がある小型のウニ「コシダカウニ」
一見バフンウニの幼体かと思ったが、よく調べるとこれが、「コシダカウニ」。ホンウニ目サンショウウニ科の小型のウニで本州中部から九州南端まで分布する。バフンウニよりも甲高で丸い。殻は、ほとんど球形で腰高く直径3~4cm,高さ2~3cmで、殻表は赤褐色の短い棘(とげ)が生えているが,10本の無棘の部分の歩帯があるが、口器周辺だけではなくこの棘のない歩帯の部分からも管足を出す。 棘が短いのも特徴のひとつで無毒。潮間帯付近の浅海に生息し、かつては結構たくさんいたそうなのだが最近個体数が減ってきているとのこと。8月に産卵期を迎え、卵黄の少ない非常に透明度のよい卵を産む。先端が吸盤状になっている透明の毛みたいな管足が無数に伸びて動いていて、海藻、貝殻、小石などを身体の上部に乗せ擬装する。(デコレーティング行動)(Data:2015/08/13)