観察 | 海の生物:29(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
葉山 芝崎海岸:要注意外来生物に指定された黒の二枚貝「ムラサキイガイ」
「ムラサキイガイ」は、イガイ目イガイ科に属する二枚貝の1種。付着性二枚貝で表面は黒紫色か黒褐色,内側は真珠光沢があり左右にやや平たい貝。左右の殻の腹側の隙間から足糸を出し、岩などに付着し大型のものでは殻長10cm 以上になる。海水域の潮間帯の岩や人工物に足糸で付着する。人工物の船底、発電所や工場などの取水施設などにも付着し、問題となっている貝でもある。 ヨーロッパでは同属のヨーロッパイガイなどと共に食用とされムール貝とも呼ばれるが、世界の侵略的外来種ワースト100 指定種と日本の侵略的外来種ワースト100 などの外来生物法で要注意外来生物に指定されている貝でもある。綺麗な海や、養殖物なら食べれるが、汚染された海域の場合は中毒を起こす可能性が非常に高い。3月から9月にかけて、エサの有毒プランクトンが原因で麻痺性貝毒を持つことがある。麻痺性貝毒は、サキシトキシンとその同族体群で構成され、熱に強いため通常の加熱では毒性はなくならず、その毒性の強さはフグ毒と同程度と言われる。東京湾など日本での「ムラサキイガイ」h、食べてはいけない貝と思った方が無難。 (Data:2014/10/25)
葉山 芝崎海岸:手足をたたんで死んだふりをするカニ「オウギガニ」
「オウギガニ」は、房総半島以南の西太平洋,インド洋に分布し、オウギガニ科のカニ。転石の下や岩の窪みでごく普通に見られるカニで、動きは速くない。捕まえたりすると、はさみ部分の脚と歩く脚をたたんで死んだふりをする擬死反応をすることが多いカニだ。甲幅が3.5cm~4cm程度で、甲は横に広い平らな浅い溝が入っている扇形で無毛,甲域が明瞭で前側の端には三角形の歯が五つある。暗青灰色から暗褐色まで個体により色彩は様々。白色や灰白色の不規則斑,黒褐色の大きな斑紋などがあることも多い。潮溜まりには、いくつかの種類のオウギガニがいるが、種類も多く形も似ているので判別するのは難しい。(Data:2014/10/25)
葉山 芝崎海岸:潮だまりにいるヤドカリ達の家「イソニナ」
「イソニナ」は、バイ目エゾバイ科の巻貝。潮間帯の岩や石の海底に、ごく普通に生息。殻は高さ約4cm程度で、殻は細長くて丈夫で表面はなめらか。螺塔は7階で各層は膨らんでいる。色は灰緑色で褐色の斑条がある。殻口は卵形で、口内は濃紫色。蓋は革質でやや厚く、黄褐色をしている。いくつかの集団で見つかることが多い。「イソニナ」は外海の岩礁地帯の潮間帯、「ウミニナ」は干潟に生息し,各地で個体数の減少が危惧されている。「カワニナ」は、淡水産のごく普通の巻き貝で、どれも同じような形をしている。イソニナは、動物の死骸に群れていることがあり、腐肉食性の貝。酸で他の貝の殻に穴をあけ,食べてしまうという肉食貝でもある。潮だまりにいるヤドカリ類がイソニナの殻をよく利用している。この手の種類の貝はふつう横向きのスジがあるのだが、イソニナは縦向きにスジがつく。(Data:2014/10/25)
葉山 芝崎海岸:貝殻の表面は地味だが、内面は美しいベっ甲色「ベッコウガサ」
「ベッコウガサ」は、磯の潮間帯の岩陰などの上部に張り付いている普通に見られるカサガイ目ヨメガカサガイ科に属する貝。ヨメガカサと似ているが、殻は高くて表面 の放射肋が強く、暗褐色の斑模様があることで判別できる。殻の長さは約4cm~6cm程度で、殻高は約2cm程度になる。特徴は、内側が薄黄の真珠光沢があり中央部がべっ甲色をしている。笠頂部は削られて不鮮明になっていることもある。身は淡い黄土色で楕円形をしている。形に変異がみら、やや波の荒い磯場に多く生息していて、岩に付着した藻などを食べる。食用となる貝でもあり、味噌汁などにして食べられるらしい。通常は複数の個体が集まっている。(Data:2014/10/25)
真鶴半島 三ッ石:白色の液を出すアメフラシ属「アマクサアメフラシ」
「アマクサアメフラシ」は、アメフラシ属で体形がアメフラシに非常に似ているが、アメフラシほど大きくはならない中型のアメフラシで、日本各地や北西太平洋沿岸に分布。「アメフラシ」「クロヘリアメフラシ」とともによく見かけるアメフラシ属の生き物。海岸の潮溜まりや沿岸の岩礁域の石がごろごろ転がっている場所に居ることが多い。個体変異が多く真っ黒な個体、黄色い個体や白ぽっい個体などまるで別種のように多彩な変化がある。黄緑色をしたものや明るい褐色のものが一般的で中には、黒色の斑点をもつものもいる。大きな特徴はアメフラシと違い紫色の汁を出さず白色の汁を出す。海藻類を食べ食べるものが不足してくると、自分で穴を掘って餌を探す。 嗅覚が発達していて触角で弱い匂いを感じ取ることができる。 雌雄同体で、頭の方に雄の生殖器官をもち背中に雌の生殖器官を持ち前方の個体の雌の器官に雄の器官を挿入し何個体もつながって交尾する(連鎖交尾)。 春から夏にかけて繁殖のために磯に現われる。(Data:2015/03/22)