観察の表紙イメージ画像

観察 | 海の生物:24(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

葉山 芝崎海岸:小さなヒザラガイのなかま「ウスヒザラガイ」

ウスヒザラガイの画像01 この貝は、小型のヒザラガイのなかまで「ウスヒザラガイ」。石の下などにいて、石を裏返すと、すばやく岩陰の方に逃れようとする。他のヒザラガイよりも足が速いので、動く様子が簡単に観察できる。光を感じると暗いほうへ逃げようとする習性がある。北海道南部以南の潮間帯の岩礫上に生息する普通種。体は平たく長楕円形で、殻の色彩は変化に富み色彩変異が著しい。背面のふくらみは弱く8枚の殻は前後に重なって並ぶ。体長3cm程度、体幅 1.3cmぐらい。 (Data:2014/05/17)

葉山 芝崎海岸:これもヒザラガイのなかま?「ケハダヒザラガイ」

ケハダヒザラガイの画像01 これが、ヒザラガイほど個体数が多くはないケハダヒザラガイ科の「ケハダヒザラガイ」。体は、小判形でほとんどが肉帯。8枚の小さく丸い殻が、背正のまん中線上に前後に接して並ぶ。肉帯が広く,全面に微細なとげが密生する。また殻を囲んで9対の暗褐色の棘束がある、房総半島から九州までに生息しているといわれている。 ヒザラガイの仲間は、貝といわれてイメージする形ではないが、体の中に数枚の鎧のような板状の貝殻を持つ。(Data:2014/05/17)

葉山 芝崎海岸:ケムシと命名されたヒザラガイ「ケムシヒザラガイ」

ケムシヒザラガイの画像01 のっぺらぼうのようなヒザラガイのなかまが、「ケムシヒザラガイ」。潮間帯の砂に埋まった石の下に付着していることが多い。体は細長くてよく伸縮する。体の表面は細かいトゲに被われており、殻は小さくて殻と殻の間が離れていて、特に後の4枚の殻板は、とび石のように離れているのが特徴。体長は、8cmくらいになり細長く、褐色でイモムシ状。殻は小さく退化し、動きは遅い。ナメクジのようなヒザラガイのなかまだ。(Data:2014/05/17)

葉山 芝崎海岸:シダとカニの共生「ニッポンウミシダ」と「コマチガニ」

「ニッポンウミシダ」と「コマチガニ」の画像01 これは、日本沿岸で最もよく見られる「ニッポンウミシダ」で、日本の固有種。太平洋側は房総半島以南、日本海側は佐渡以南の広い範囲に生息し、潮の流れの速い場所に多い。棘皮動物(ウニ、ヒトデ、ナマコ等)の仲間で最も原始的なグループ。「ニッポンウミシダ」は、下側に多くのしっかりした巻き枝を持ち、40本ある腕の一部で流れの速い海中で、しっかりと岩上に身を固定し水中のプランクトンを食べている。腕の先端は、黄色か橙色で、腕の両側に粘着性の羽のような多数の小突起が生えている。「ニッポンウミシダの腕は、餌を捕えたり、地面を這って移動するのに使われる。陸上植物のシダに似ているのでこの名前がついている。千切れやすいというか自切をよく行い、その一方で強い再生能力を持つ。 ウミシダのなかまは、海藻のように見えて動物。姿から植物と間違われるが、よく発達した神経系と筋肉を備えた動物だ。普段は岩に付着して波に揺れていますが、ときには泳ぐこともあるらしい。普段は、海底の岩に体の下にある巻枝と呼ばれる器官でつかまっているが、周囲環境が悪くなったりすると腕を交互に振って泳ぐように体を移動することがある。腕の付近は、コマチガニやコマチコシオリエビなどの甲殻類が潜んでいることが多い。
写真に写っているのが「コマチガニ」。この「コマチガニ」は、カニ類 ゴカクガニ科 コマチガニ属のカニで、ウミシダ類に生息し特に「ニッポンウミシダ」に多く見られる。ウミシダと共生するカニで、ウミシダの足の部分の裏にひっそりといて甲羅に白い横縞が入っているのが特徴。 (Data:2014/05/17)

三浦半島 荒崎海岸:共生藻を持つ珍しいウミウシ「ムカデミノウミウシ」

「ムカデミノウミウシ」の画像01 このウミウシは、「ムカデミノウミウシ」。成体は、青や褐色がかった半透明、幼体は白っぽいく成長するに伴って青くなる。触手には紫のラインが2本あり、紫褐色のひだひだが特徴で名前の通りムカデのようなウミウシ。房総半島以南、インド洋、西太平洋に分布し三浦半島でよく見かけるウミウシのひとつ。沿岸のやや浅い岩礁域、サンゴ礁域に生息。「ムカデミノウミウシ」は、餌としてヒドロ虫やイソギンチャクやサンゴなどの刺胞動物を食べる。また、餌として取り込んだサンゴ、褐虫藻を体内に共生させ、その共生藻を光合成をさせ、生産された脂質や炭水化物などをエネルギーとして取り入れていることができる。ウミウシの中では、褐虫藻などを共生させることは珍しい。そのため、水深の浅い陽当たりの良いところで多く見ることができる。 (Data:2014/06/01)

三浦半島 荒崎海岸:磯でひときわ目立つ黄色い体色「ナベカ」

「ナベカ」の画像01「ナベカ」の画像02「ナベカ」は、イソギンポ科に属する魚で、岩礁性海岸やタイドプールで普通に見られオオヘビガイなどの貝殻や岩の裂け目などに生息する。体長は、5~10cm程度で黄色っぽく、頭部や体の前半に黒色の帯があり後半は鮮やかな黄色で黒斑がある。口は小さくて斜め下向きについて、下顎に大きな歯があり、手で採集すると噛みつかれ怪我をすることもある。産卵期は春で、タイドプールの小穴やオオヘビガイの空殻などに赤い卵を産む。雑食性で、藻類や小型の甲殻類などを食べる。 「ナベカ」は、よく観ると愛嬌のある顔で人魚のようだとも言われている。海水の中では、すばやく泳ぐので、採取するのにもひと苦労する。(Data:2014/06/01)

このページの先頭へ