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観察 | 海の生物:30(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

真鶴半島 三ッ石:これでも動物です。「イタボヤ」

イタボヤの画像01 イタボヤの画像02 イタボヤの画像03 「イタボヤ」は、いくつかの個虫が集まって郡体を作るホヤの仲間。模様のように見えるものが、一つ一つのホヤの個虫。個虫の出水孔は大きな共同排水溝にむかって並び,隣りの個虫の出水孔から出た水を再び取りこむことがないように効率のよい水の流れをつくれるしくみになっている。内海の潮間帯を中心に、岩に固着してくらす。見た目は動物に見えないが動物です色彩変異の幅が広いが、オレンジ色のものが多く岩などに板状に固着している。一見するとカイメンのようだが、脊索動物のホヤの仲間で群体となる。カイメンは原始的な動物だが、ホヤは脊索という神経管を持っていて無脊椎動物の中では人類に近い動物だ。 脊索は幼生の時だけ見られ、海底に着生するとなくなてしまう。群体内で生育した卵は幼生になって泳ぎ出し、数時間で海底に着生する。また、イタボヤ群体は、ある群体が近縁関係の群体と接触すると、癒合して1つの群体になるのだが、近縁関係にない群体と接触すると拒絶反応が起こる現象が知られている。イタボヤの仲間には、一斉に約1週間に1回世代交代を行うユニークな現象もある。親の世代の個虫は、自らの両脇に次の世代の芽を作っていて、一斉に退化したあと一斉に次の世代が親と同じ大きさになり取って代わるという仕組みをもっている。 (Data:2015/03/22)

真鶴半島 三ッ石:クローンを作る。「ヒメイソギンチャク」

ヒメイソギンチャクの画像01 「ヒメイソギンチャク」は、直径約1 cm~3cm程度のイソギンチャクでウメボシイソギンチャク科ヨロイイソギンチャク属に属する。潮通しの良い岩浜の潮間帯付近を中心に生息する。岩影や転石の下に群生しよく見かけるイソギンチャクの一つ。触手は短く淡褐色の体壁に橙色の小さな斑紋が縦列をなし足盤近くではクリーム色の短い縦筋が体壁を取り囲む。縦分裂で繁殖するので群れていることが多い。ヒメイソギンチャクは、近くの個体のほとんどすべてが親でも兄弟でも子孫でもなく,まったく同一の遺伝情報(ゲノム)を持つ個体でクローン。ほとんどの動物が,死んで一生が終るのだが、クローンを作るヒメイソギンチャクは、個体が消滅しても「死」という概念が当てはまらない生き物だ。また、ヒメイソギンチャクは、自らの力で移動することができる。 (Data:2015/03/22)

能登島 松島海水浴場:中層、低層部を泳ぐハゼ。「日本海のキヌバリ(幼魚)」

日本海のキヌバリ(幼魚)の画像01日本海のキヌバリ(幼魚)の画像02 「キヌバリ」は、北海道から九州、朝鮮半島南岸の内湾や沿岸の海岸に生息し海藻が生えた場所に多く見られるスズキ目ハゼ科の魚。体色は、生息する場所で多少の違いがるが、桃色または淡い桃色で半透明にちかく、骨格や反対側の横縞が薄く透けてみえる。眼を縦に通る1本の横帯があり、その後方に斜めの帯がある。体側には黄色く縁取られた横帯があるが、太平洋側のものは6本、日本海側のものは7本ある。ハゼの仲間では、めずらしく中層から低層部を泳ぎまわる。幼魚時代は群て泳ぎ、成魚になると単独でいる。写真のキヌバリは、横帯が7本あり群れて泳いでいたので日本海のキヌバリで幼魚だということがわかる。鱗が細かく表面が滑らかで艶やかなことが、絹布を張ったような魚というの名前の由来だ。チャガラとよく似るが、チャガラの横帯は淡いことで容易に判別できる。 (Data:2015/05/02)

三浦半島 長浜海岸:6本の横帯がある。「太平洋のキヌバリ」

太平洋のキヌバリの画像03太平洋のキヌバリの画像04 この写真のキヌバリは、太平洋側の「キヌバリ」。確かに横帯が、太平洋側のキヌバリなので6本ある。日本海側の7本とは違う。なぜなのだろう? (Data:2016/06/18)

能登島 松島海水浴場:中層、低層部を泳ぐハゼ。「チャガラ」

チャガラの画像01チャガラの画像02 「チャガラ」は、青森県から九州、朝鮮半島中、南岸の内湾や沿岸の海岸に生息し藻場や海藻が生えた場所に多く見られるスズキ目ハゼ科の魚。眼を縦に通る1本の橙色横帯があり、その後方に斜めの帯がある。体側には淡い横帯が6本ある。また、第2背びれと臀びれには青色の縦帯があり、成魚の泳ぎはこの青がきらびやかに見える。群をつくって中層で泳ぎまわる。チャガラは、寿命が1年の魚で名前の由来も鶏の餌用に天日干しされた姿がお茶の出がらしに似ていたからだとか?キヌバリとよく似るが、キヌバリの横帯がはっきりしているので容易に判別できる。富山県では、チャガラを生かして小ブリ釣りの生きえさとして用いることもある。 (Data:2015/05/02)

能登島 松島海水浴場:最も普通に見れるクラゲ。「ミズクラゲ」

チャガラの画像01 「ミズクラゲ」は、水海月と書き日本近海でも最も普通に見れるクラゲで冬から夏にかけて出現する。。クラゲ目ミズクラゲ科ミズクラゲ属の刺胞動物に分類される無脊椎動物で魚ではない。傘に透けて見える胃腔、生殖腺が4つあることが特徴で、ヨツメクラゲとも呼ばれる。傘は半球形より低く,普通直径 15cm程度だが中には30cm以上にもなるものもいる。傘の裏側は、足のような形の口腕(こうわん)があり、触手で捕らえて粘液で団子状にした餌を中央の口まで運ぶ役割がある。 安全なクラゲとされるが刺されると痛みが走り赤い斑ができた実例もある。水中を遊泳し動物性プランクトンを餌としている。このミズクラゲは、水族館などで透明感のある体に対しさまざまな色の照明が照らされ幻想的に展示されることが多い。傘の動きもゆっくりなので見入ってしまう人も多い。 (Data:2015/05/02)

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