観察 | 海の生物⑥
南伊豆 中木港:葉っぱのような魚・・何?「ナンヨウツバメウオ」
中木港の堤防から、子どもが網ですくった葉っぱのような魚。これが、ツバメウオの幼魚、「ナンヨウツバメウオ」。幼魚は、4cm程度が1年で5倍程度大きくなり大きなエンゼルフィシュのような大きなツバメウオになる。漁港などの堤防の水面に横になって浮いている。成魚の体色は灰褐色から銀色で、体側には太い暗色帯がある。幼魚は茶褐色で枯葉に似ている。暖海域に生息し、流れ藻についたりしている。成魚はサンゴ礁域や砂底、岩礁域に生息。しかし、子どもの観察力はすごいと感じる。はじめは、葉っぱを網に入れてきたのかと思ったがみょク見れば魚。大人は、魚たちの擬態にだまされる子どもはだまされない。子どもの観察力は、すごい!!私は、ダイビングでサンゴ礁域のツバメウオを見たが、このような小さな幼魚があの大きなツバメウオになるとは、今回はじめて知った。親と子がこんなにも相違するかと思うほどだ。ツバメウオの写真はないので、興味がある方はインターネットでググッテてください。(Date:2012/07/31)
南伊豆 宇久須港:アミメハギ?カワハギ?どちらの子?「アミメハギ」
カワハギの幼魚かと思ったが、よくよく調べてみると「アミメハギ」らしい。港で海中をのぞくと、船を係留するロープの岸壁にいてひらひらと泳いでいました。 体長8cmほどの小型種のアミメハギは、小型のカワハギの仲間で生息環境による体色変異は大きくカワハギとの判断が難しい。網目模様や白っぽい斑点模様が特徴らしい。白い丸のブツブツガある方が「アミメハギ」で、網目模様がこのアミメハギの名前の由来だそうだ。幼魚は流れ藻や付着物につく習性があり、成魚・幼魚とも寝ている時などは海藻の端をくわえて寝る習性がある。 何度も言うが、似ている魚が多い。人間は、良くここまでいといろなさかなを区別しているものだと関心してしまう。今回は、網ですくいました。性質もおとなしく丈夫な魚で泳ぎがゆっくり、餌もゆっくり食べるそうです。だから、網でゆっくりすくえたのでしょう?(Date:2012/08/01)
南伊豆 宇久須港:カゴカキダイだいと思っていたら?「イシダイの幼魚」
はじめは、磯に多くいるカゴカキダイかと思ったが、写真のように魚を横にした場合に縞が縦にあった。よくよく調べてみればこれは、あの~あの~釣り人に人気がある・・・有名なイシダイの幼魚。幼魚は、シマダイ、サンバソウとも言われやがて口が黒くなり「クチグロ」と言われる。正式には、魚の縞は頭を上にして「縦横」が決まるそうだ。ということは、これは横なので、イシダイの幼魚の「サンバソウ」だ。はじめに思ったカゴカキダイは縦縞だということになる。堤防下に多く群れ、目で見て釣ったのでイシダイの幼魚が堤防に群れているとは思わなかった。イシダイは、白地の体色に7本の太い横縞がり、成長の過程で個体によって白色が金色や灰色を帯びたりする。幼魚は、この横縞がはっきりしているのでシマダイと呼ばれる。成長するにつれて白色が黒や灰色に近くなり縞が不鮮明になる。特に老成したオスは全身が銀色の光沢をした灰黒色となり、口の周りが黒くなることから、クチグロ、ギンカゲなどと呼ばれる。釣ったときに、イシダイの幼魚だと知っていたら、もっと感動しただろう?やはり、魚に対する事前知識が、釣りの楽しさを高めることに結びつくことを知らされた感じがする。もっと魚の知識を高めよう(Date:2012/08/01)
三浦半島 荒崎:婚姻色になるオスの正体とは?「ヘビギンポ」
これは、「ヘビギンポ」。大抵の磯でよく見かける。体長が5cmほどで、ヘビギンポ科の磯魚。国内ではサンゴ礁の海から温帯の海まで広く分布。水深は1-7mの範囲、波や潮の影響を受ける岩または岩礁斜面に生息している。雌雄で、色彩が異なる。繁殖期のオスは全身黒色を呈し,尾部には白色横帯がある。メスは全体的に赤っぽく,体前半から尾柄部にかけて数本の横帯がある。写真は、繁殖期のオスだ。産卵期が4月から10月まで。ヘビギンポのオスの体色変化、特に「婚姻色」は、産卵のためのコンペティションと考えられている。産卵期を迎えると、オスは比較的狭い「なわばり」を岩の斜面に形成し、メスが「なわばり」にくるとオスはメスに突進し、メスのまわりを回転しする。メスがプロポーズを受け入れると、「なわばり」内の産卵床でペア産卵が始まるとのこと。メスは腹部の産卵管(輸卵管)を伸ばし、産卵床に卵を産みつけます。 魚によってさまざまな産卵形式があるのだが、自然は、同種の魚同士がきまった方式で産卵までたどり着く。たまには、違った魚同士が間違った相手といっしょになり産卵しないのだろうか?自然の目に見えない決まりとは、おそろしい??(Date:2012/07/15)
真鶴半島 三ッ石海岸:表より裏がきれいです。「クモガタウミウシ」
これは、「クモガタウミウシ」。日本の潮間帯で見られる10cmを超える大型のウミウシ。楕円形で、体表が厚くて硬い。普通のウミウシのように手触りが滑らかでぬめぬめしていない。表面は、褐色で地味な体色なのだが、裏は、鮮やかなオレンジ色。ウミウシの仲間は、本当に面白いと思う。きれいなものからクモガタウミウシのように、岩に張り付いて岩と同調してしまうものもある。ウミウシの仲間はどこかに華麗さを持っているもの。クモガタウミウシは、その華麗さが裏面にある。ウミウシの世界は、本当に奥が深く多種多様のウミウシがいることを思い知らされる海の生き物だと思う。(Date:2012/08/05)