観察 | 海の生物⑲
東伊豆 白田堤防:幼魚時代は、全て雌である魚「アカササノハベラ」
この魚、「アカササノハベラ」。アカササノハベラは、岩礁にすみ、黒潮の影響のある沿岸の外洋向きに多い。ベラ科ササノハベラ属で以前は「ササノハベラ」は1種だったが、現在は2種に分けられている。アカササノハベラは、赤みを帯びた色彩のことが多いのだが変異もある。体側の白色斑は不明瞭で、眼の下後方から伸びる縦線は胸鰭の方向へのびる。眼の下に、ホシササノハベラのような虫食い状斑が無い。目の下を通る黒褐色の弧状線が胸鰭に達する。 幼魚は、すべて雌で、体色は赤っぽい。雌の中で一番体が大きいものが雄に性転換するらしい。雄になると、体は黄色っぽくなる。雌から雄に完全に性転換するまでの中間個体も存在する。伊豆半島では普通に釣れる魚らしい。食用にでき、淡白な白身で刺身や寿司、塩焼き、煮付けなどにして食べれるとの事。(Data:2013/08/24)
東伊豆 白田堤防:砂の中にもぐる習性「ホンベラ(雌)」
この魚もベラの1種で「ホンベラ」の雌。沿岸の海藻がある岩礁に多く、群れをつくって泳ぐ。他のベラと同様に雌から雄に性転換する。温帯の環境によく適応したベラで、東北地方以南の各地で見ることができる。琉球列島では見られない。 危険が迫ったり夜間になると砂の中にもぐる習性を持つ。各鰭に目立った斑紋がなくほぼ透明。目の前後に赤っぽい斑紋があるが体側には目立った斑紋がない。ふつうは、淡い緑色だが、中には赤みを帯びたものもいる。雄は、キュウセン程ではないが、淡緑色をしているのが普通。 体長は最大18㎝程度。本州以南で普通に釣れる。食べられるらしいが、おいしくないとの事。(Data:2013/08/25)
西伊豆 松崎新堤港:背鰭を拡げないと見分けができない「ネズミゴチ(雌)」
この平らな魚は、「ネズミゴチ」の雌。写真ではわからないが第一背鰭に楕円形の白い縁取りのある黒色班があったので雌だ。ネズミゴチは、スズキ目ネズッポ亜目ネズッポ科に分類される魚で良く釣れる。カサゴ目コチ科に属するメゴチとは違う。内湾の砂底に生息し、春から夏にかけては砂浜海岸のごく浅い所にもいるが冬は深い場所にいる。体は、左右に平たく、えらの部分が幅広い。頭は三角形で目は背面に半球形に飛び出る。口は下向きに開いている。 雄は、雌のような第一背鰭に楕円形の白い縁取りのある黒色班がなく、上部が黒い。雄は、目の下に青地に暗色縁取りの黄色線がある。ネズッポ科の魚は、雄、雌で色彩や斑紋が変わることが多く背鰭を拡げないと判別は難しい。またネズッポ科の魚は、粘液が多くねばねばしている。この「ネズミゴチ」も食べることができ天ぷらなどではおいしいらしい。(Data:2013/08/27)
西伊豆 松崎新堤港:投げ釣りの対象としても人気が高い魚「シロギス」
この魚が、人気のある「シロギス」。キス科の1種で、北海道南部から九州にかけての沿岸に分布。体色は、背側が淡黄褐色で腹側が白い。内湾や内海の砂底に生息していて、主にゴカイ、イソメなどの虫類を主食にする。全長30cmくらいまで成長するが30cmを超えるものもいて「尺ギス」と呼ばれ釣り人の憧れ。春から夏、1mから15m程の浅瀬まで寄ってきて、晩秋から冬の寒い時期になると30mから50mと深い場所に移る。 日本全国の釣り人から好かれている魚で、投げ釣りの対象としても人気が高い。食用魚としても店頭にならび、天ぷら、フライ、塩焼き、干物、コブ締めなど色々な食べ方が楽しめる。 夏から初秋に産卵期を迎えるので、最も美味しい旬は、その産卵を控えた初夏から夏。(Data:2013/08/27)
油壺 荒井浜海岸:磯や潮溜まりで普通に見られる大きなハゼ「ドロメ」
このハゼは、「ドロメ」。北海道の西部から南の日本各地に分布しているハゼ科の魚。磯や潮溜まりで普通に見られる。体はやや側扁しているが、頭部は平。左右の腹びれは短くて吸盤状になっている。体色は、灰緑色の地に暗褐色や茶褐色の横帯に見える斑がいくつもあり、さらに 小さな白い斑点が散在している。一見、アゴハゼとよく似るが、ドロメは尾びれの先が白く縁取られていて、アゴハゼの胸びれとしりびれにある黒い斑がない。成魚は、ドロメの方が大きくなり10cm程度にもなる。小型の甲殻類やゴカイ・イソメ類、小魚などを主食にしている。産卵期は春で、卵は雄が守る。普通は食用にしないが、天ぷらや煮物などにすると美味しいらしい。(Data:2013/09/07)