魚影が薄く、カニやヤドカリたちがほとんど見られない2月の磯遊び
磯遊びは、春から秋にかけてがシーズン。水温が10℃以下になる12月~3月下旬頃は、磯遊びのシーズンオフ。 特に2月は、生き物を観察することが難しく、潮が良く引く干潮時間帯が夜や深夜になり子どもと磯遊びをするには向いていない時期。夜のダンゴウオ観察を除いて、おもしろいみがない2月の磯。 しかし、そんな時期でも天気が良い日は、磯遊びをしたくなる人が居るかもしれない。今回も、シーズンオフの磯に何が潜んでいるのかを見てみたい。
葉山芝崎海岸 葉山町が天然記念物に指定した貴重なエリア
今回選んだ場所は、神奈川県葉山町にある芝崎海岸。芝崎海岸は、葉山町が天然記念物に指定した貴重なエリアだ。春から秋にかけて、磯遊びに来る人が多い。 年間を通じて様々な生物が生息している。また、海藻が豊富で、海藻に関係が深い生き物も多く生息する。芝崎海岸は、昭和天皇が海洋生物の研究に打ち込まれていた場所であり、湘南地区で指折りのダイビングポイントでもある。
芝崎海岸の北側(海岸向って右)
芝崎海岸の南側(海岸向って左)
冬の昼の干潮時は、海水面が高い
冬の昼の干潮時は、海水面が高い。干潮は、1日に2回もしくは1回ある。本頁の写真撮影日は、2月の大潮で昼の干潮時。潮見表からを見て、本頁の撮影日の状況を調べてみると今日は、大潮で干潮時間が11:39(58cm)と翌日深夜の0:03(0cm)、深夜の海水面の方が低い。 冬の磯遊び観察は、夜から深夜なのだ。しかし、子どもと深夜に磯遊びに行くのは、個人的に避けたい。今回は、昼の大潮干潮時に行ったが、下の写真の通り、芝崎海岸に降りる場所が60cm前後の海水面で準備不足もあり渡れなかった。 そこで今回はやむなく、防波堤端の「ウニ観察」に留まった。 冬の磯遊びはやはり、腰まである長い フィッシングウェーダーや長めの暖かいウォームアップブーツがあれば重宝だ。磯遊びのためにわざわざこれらを買う人はいないと思うが、冬の夜の磯遊びには、防寒面でも是非欲しい品だ。
冬の昼の干潮時は、海水面が高い
写真の通り、芝崎海岸へ渡る数mのエリアが海水に浸っており普通の長靴では渡れなかった。ダイバーの人たちは、海水に入れる身支度をしているのでまったく問題ないのだが、私たちのように何も用意していかなかった者には渡ることができなかった。 春から秋にかけての干潮時や冬の夜の干潮時には、海底が現れ芝崎海岸へ渡れる。芝崎海岸へ渡るのならば、行くときに潮見表を確認し海面の高さを事前に確認することが大事だ。
防波堤側で生き物を探す
海中に動く生き物が見当たらず、防波堤側の岩にいるウニが、今回の子どもたちの相手になったようだ。
海藻が茂り始める
冬の海は、年間で一番透明度が高い。ご覧の通り海面から、海藻が海の中で茂はじめているのがわかる。
ウニがいた!!
防波堤の岩の下に、寒い冬の海で生きているウニを見つけた。今回は、「ウニ観察」だ!!
ムラサキウニ
海面から見える浅い岩礁の下に小型の「ムラサキウニ」がいっぱいいた。「ウニの子ども?」これから夏に向け、どんどん成長していく。
バフンウニ
小型の「バフンウニ」。これも、幼体のバフンウニなのだろう。夏に多く見られるヤドカリやカニ、ハゼが、海面からはほとんど見られない中で、バフンウニは、目を引く。
観察後は、海に帰そう!!
芝崎海岸は、天然記念物指定エリア。観察した生き物は、また会えるように貴重な海に、必ず帰そう!!
葉山芝崎海岸周辺の磯
芝崎海岸に渡ることができなったので、芝崎海岸の堤防沿いの道を三ケ下海岸(一色海岸の方向)に5分程度歩くと、磯に降りれるところがありそこの磯場で磯遊びを楽しんだ。ここをなんと言うのかわからないが「芝崎海岸周辺の磯」としておこう。 ここの磯は、歩きやすく大きな岩場もあり、子どもと磯遊びをするにはちょうどいい場所。タイドプールは、少なそうなのだが海藻もあり生き物が期待できる場所だ。 冬なので、磯にはアオサだと思うが緑藻類の海藻が岩にこびりついて緑色になっており冬の磯を象徴している。やはり冬の磯は、魚影が薄くカニ、ヤドカリ立ちもほとんど見られなかった。しかし、どこかに生き物は居るはず?
冬の磯、生き物は海藻にいる
冬の磯は、貝などを見ることはできるが、磯で動いている生き物を多く見ることができない。時折、ヤドカリがさびしく1匹で動いてるのが見える程度。カニも岩陰に隠れていて、余り外に出てこない。 夏の磯場とは全然違い、寂しさを感じる。冬の磯は、海藻が茂りはじめる時期。冬の磯は、まずは網で海藻をなぞってみよう。冬場は、生き物が海藻に隠れている場合が多いのだ。
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