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観察 | 植物⑧

青野原オートキャンプ場:花の形が,笠をかぶった踊り子「ヒメオドリコソウ」

ヒメオドリコソウの画像 よく空き地や道端、土手などで良く見かけあまり関心が寄せられない雑草。これが、ヒメオドリコソ(姫踊子草)で、ヨーロッパ原産のシソ科オドリコソウ属の越年草の野草。繁殖力が強く、いろいろな場所で群生している。 茎が四角い断面をしていて、先端の葉の脇に小さな唇形をした淡い紅紫色の花をたくさんつけるのでふと見てしまう。シソ科で、シソの葉に似ており、上側は赤シソ(紫しそ)に似た紫色で、裏側は緑色をしている。花の形が,笠をかぶった踊り子の姿を思わせることから命名されたとのこと。ヒメオドリコソウのように、日常よく見られるけれど気に留めない雑草に目を向け調べることにより雑草ではなく野草であり、りっぱな植物のひとつだと言うことを再認識する。(Date:2014/04/06)

青野原オートキャンプ場:晴天の朝に開き、夕方にしぼむ。「オオイヌノフグリ」

オオイヌノフグリの画像01 この草花も道端などで良く見かけ、かたまって咲いている雑草的なのだが人目を引く。これが、「オオイヌノフグリ」。繁殖力が強く群生する所が多く、ヨーロッパ原産。花は、早春から5月にかけて咲き8mm~10mmほどの小さな紫がかった青色をしていて濃いラインが入った花びらはを持つ。この花は、晴天の日の朝に開き、夕方になるとしぼむ。「オオイヌノフグリ」の名前を感じで表記すると、「大犬陰嚢(睾丸)」とすごい名前。「オオイヌノフグリ」の実は、平たいハート型で熟すと2つに裂けてタネが出る。この丸みのあるハート形の実が犬の陰嚢に似ていることから命名されたとか。しかも「大(オオ)」が付いている。この大は、花の色がピンクの「イヌノフグリ」という在来の野草があり、この種と見分けるために少し花が大きいので「大」がつけられてしまったようだ。命名にも運、不運があるようだ。オオイヌノフグリの花は、花粉を持ったおしべが互いに向かい合い、根元が細く簡単に動くので、虫の体に花粉がつきやすく繁殖しやすい作りになっている。(Date:2013/04/13)

大涌谷(箱根):きれいな花には毒がある。「アセビ」

アセビの画像01アセビの画像02 Shizengateでも紹介している大涌谷で、駐車場から「玉子茶屋」へ歩いていく行く道端に多く咲いていた木。これが、「アセビ(馬酔木)」だ。厳冬~春に、白または桃色の小花を房のように多くつけるツツジ目ツツジ科アセビ属の耐寒性常緑低木。樹高は、普通1m~4m程度で年月を経たものは6mもの高さに達する物もある。 葉は濃緑色をしていて、花がスズラン似ている小さな壷形の花が吊り下がったように咲く。この「アセビ(馬酔木)」、きれいな花をつけるのだが「葉」「樹皮」「花」に強い有毒成分がある有毒植物。「アセボトキシン」という有毒成分が含まれ、馬などの草食動物が食べると神経が麻痺し酔ったような状態なる。誤って食べると、腹痛・嘔吐・下痢などの症状が現れ、神経麻痺・呼吸困難などで死に至ることもあるという。この毒を利用してかつては、葉を煎じて殺虫剤としても使われていた。逆にこの毒によって、動物にも昆虫にも食べられることなく、きれいな状態で生育する。「アセビ(馬酔木)」の命名も、 馬がアセビの葉を食べ中毒でしびれ酔ったようになることから名づけられたとのこと。(Date:2014/04/27)

大涌谷(箱根):日本本来の桜「ヤマザクラ」

ヤマザクラの画像01ヤマザクラの画像02 大涌谷に行くまで大渋滞。渋滞していた道に、「ヤマザクラ」が咲いていた。「ヤマザクラ」は、日本の代表的な桜で山地に広く自生するバラ科サクラ属の落葉高木。開花後から葉がでてくるソメイヨシノなどの里桜と違い若葉と同時に開花する。樹皮は濃褐色で光沢があり、新芽は赤、茶、黄、緑と変異が多くソメイヨシノの後に、淡紅色や白色の花が咲き秋には紅葉する。類似する「ソメイヨシノ」「オオシマザクラ」「ヤマザクラ」の見分け方は、「ソメイヨシノ」は、葉は花のあとに開き若枝・葉の下面・葉柄に毛が散生する。「オオシマザクラ」は、若葉は緑色で,花と同時に開き2葉の下面は光沢があって無毛。「ヤマザクラ」は、葉柄が赤く,上部に2個の腺体があり若葉は赤褐色で花と同時に開く。写真のサクラは、葉が赤褐色と葉の先が細くなっていないので「ヤマザクラ」と判断した。(Date:2014/04/27)

御殿場:春の季語「ツクシ」

ツクシの画像01 だれでもが知っている「ツクシ」。このツクシ、シダの仲間「スギナ」の胞子茎だ。「スギナ」は、川土手や田、原っぱなどにいっぱい繁るいわゆる雑草の一種。「ツクシ(土筆)」は、このスギナの胞子茎で胞子を出すもの。薄茶色で、「袴(はかま)」と呼ばれる茶色で輪状の葉が茎を取り巻いている。このツクシは、油いためなどで食べられる。 冬が終わると、春を待ちこがれていたように、茶色のツクシが土から伸びてくるので日本では、春の季語にもなっている。まったく違う植物に見える「スギナ」と「ツクシ」が地下でしっかりとつながっている。「ツクシ」は、緑色の粉のような胞子(ほうし)を出し花の代わりに子孫を増やす大切な役割をしている。胞子で増える植物は「胞子植物」と呼ばれ、スギナなどシダの仲間のほかに、キノコやコケ、カビなども「胞子植物」。ツクシとキノコが結びつくとは・・・・(Date:2014/04/27)

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