湘南七福神の各社寺(1)

湘南七福神の各社寺を紹介してみたい。今回のコースは、先頁でも紹介したように車で、①東昌寺(福禄寿)→②光照寺(寿老人)→③延命寺(弁財天)→④宗泰寺(大黒天)→⑤長運寺(布袋尊)→⑥仙光院(毘沙門天)→⑦玉蔵院(恵比寿)の順で巡った。本頁では、①東昌寺(福禄寿)、②光照寺(寿老人)、③延命寺(弁財天)、④宗泰寺(大黒天)を次頁では、⑤長運寺(布袋尊)、⑥仙光院(毘沙門天)、⑦玉蔵院(恵比寿)を紹介する。

東昌寺(福禄寿)

神武寺駅近く道路沿いに東昌寺。真言宗のお寺で青龍山東昌寺と号し、鎌倉の東勝寺の由来を受け継ぐ寺として知られている。境内には国重文の五輪塔がある。鎌倉時代は北条氏の菩提寺として栄えていて、北条氏の武者800人が東勝寺に立てこもり滅びた際、、当時住職の信海和上がただ一人で本尊大日如来を守り、池子に落ちのびてこの地に寺を再建したと伝えられている。 東昌寺の福禄寿は、関西宝塚の名刹清荒神(きよしこうじん)より勤請されたが、その像は惜しくも焼失。今の福禄寿は、元禄13年(1700)に造られた現在のご本尊「大日如来」。頭が長く、豊かな白髪を蓄えた老人の姿をしている。

福禄寿(ふくろくじゅ)

福禄寿の土鈴の画像09

福禄寿は、道教の福神で道教で強く希求される3種の願い、幸福、封禄、長寿の三徳を具現化したもの宋の道士天南星の化身や、南極星の化身(南極老人)とも言われ、七福神の寿老人と同体、異名の神とされていて「福徳」・「人徳」・「長寿」の神様。その姿は、背が低く、長い頭、長い髭、巻物を結んだ杖を持ち長寿のシンボルともいえる鶴を伴い仙人のような人物。

東昌寺の画像06
福禄寿の画像07
御堂の画像08
湘南七福神の旗の画像10

光照寺(寿老人)

光照寺は、逗子にあり七福神のお寺「延命寺」の末寺。開山は不明だが平治の乱で敗れた源義朝の嫡子悪源太義平(源頼朝の兄にあたる人物)の供養に建てられたとの伝承がある。寿老人の後ろに本尊で神奈川県指定文化財となっている木像阿弥陀如来立像がある。とても力強い彫刻像だ。

寿老人(じゅろうじん)

寿老人の土鈴の画像15

寿老人は、「健康」と「延命長寿」をつかさどる福神で、背が低く、長い頭に長い白髭、巻き物をつけた杖を持ち、鹿をつれている姿をしている。鹿は、玄鹿(げんろく)と言われ、長寿の象徴とされている。樹老人とも書かれることもあり、樹木の生命力から長寿を象徴しているとのこと。

光照寺の画像12
寿老人の画像13
木像阿弥陀如来立像の画像14

延命寺(厨子弁財天)

延命寺は、真言宗・黄雲山地蔵院で、逗子大師として知られ奈良時代に行基が開山したと伝えられている。本尊は大日如来で、弁財天は音楽、弁才、財福、知恵の霊徳あらたかとして尊崇されている。また、延命寺は明治29年(1896年)の火災で大部分を焼失、大正12年(1923年)の関東大震災直後に再建されたが、現在の本堂は昭和52年(1977年)に新造されたもの。

弁財天(べんざいてん)

弁財天の土鈴の画像19

弁財天は、七福神の中で紅一点の女神。インドの神話で「サラスヴァティー神」と呼ばれ、蛇を従え財や富をもたらす女神とされ、「美」や「音楽」、「技芸」、「学問」をつかさどる福神。また、蛇を従え財や富をもたらす女神、お金を増やしてくれる女神とされている。「水」にかかわる場所に安置されているとのこと。 延命寺の弁財天は、高野山より勧請したもので、脇士のほか十六童子が揃って安置され、稀に見る貴重なる尊像。元々は公開しない秘仏だった。左右の手に利剣と宝珠を持ちその豊かな愛護によって深く人々の崇敬をあつめ、音楽・弁財・財福・知恵の功徳があると言われている。

延命寺の画像12
弁財天の御堂の画像17
弁財天の画像18
本尊は大日如来の画像20

宗泰寺(大黒天)

宗泰寺は、阿弥陀如来を本尊とし、高野山金剛峯寺の末寺に属する。如来は室町後期のもので、不動明王、十王像が残っており現在の堂宇は、昭和40年に再建したもの。創建は鎌倉時代ですが、江戸、明治と2回の火災にあっているため、現在は室町後期の阿弥陀如来、不動明王、十王像が残っている。宗泰寺では大晦日に除夜の鐘をつくことができるとのこと。

大黒天(だいこくてん)

大黒天の土鈴の画像24

大黒天は、インドのシヴァ神と日本の大国主命の神仏習合の福神。「有福」「食物」「財福」「出世」のご利益があるとされているが日本では、有福・福徳を示し商売繁盛の守り神として有名。大黒天が右手に持っているのが、打出の小槌。小槌の「槌」は、「土」の産物である米をはじめとしたあらゆるものを産み出す「大地」を意味するものであると伝えられている。またもう一つ手に持っている大きな袋が「福袋」。この袋には、お金やお米が入っている訳ではなく、幸運や幸福などが入っているとのこと。宗泰寺の大黒天は、信貴山成福院より勤請した身の丈四尺、小槌を高く打ち振る財福、福徳を招く霊験あらたかな大きな大黒さまだ。

天燈鬼の画像21
宗泰寺の画像22
大黒天の画像23
大黒天の画像25
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