秋の森のようす(3)
秋の森のようす(1)
秋の森のようすを、ひとつひとつ見ていこう。前頁からの続きです。記録があるものだけを質問形式でまとめてみました。
- この木は、何の木でしょう?
- クリの木(ヤマグリ)
写真の木は、ヤマグリです。山に自生している天然の栗で、現在栽培されている様々な品種の原種。ヤマグリ(山栗)の栗は、栽培されている栗よりとても小さいですが栗本来の味があるとのことです。粒がとても小さいので皮をむくのが一苦労とか? 山に登ると、雑木林で見ることができます。市場には、ほとんど出回らない栗です。ここのヤマグリも、動物に食べられて11月初旬には、ほとんど栗の実がありませんでした。
- この木は、何の木でしょう?
- ナシの木(ヤマナシ)
写真の木は、ヤマナシです。ヤマナシは、山地に多く見られます。高さ10~15メートルになる落葉高木で樹皮は、灰紫黒色、若枝は褐紫色で楕円形や円形の皮目があります。花は、4~5月、短枝の先に白色小花をつけます。ヤマナシのナシ(果実)は、直径3~9センチでナシ状の球形、表面に皮目が多く9~10月に黄褐色に熟しますが、硬く、じゃりじゃりしてまずいとのことです。私たちが普段食べているナシのルーツの木です。
- 芝の上にある、この土のもった部分は何?
- モグラ塚
モグラがトンネルの補修あるいは拡張によって掘り出された土は,前足で押してトンネル中を運ばれ,垂直に上方にむかうトンネルから地表に捨てられる。この土が地上にでて、写真のようなモグラ塚ができ上がる。モグラの巣は、地下2メートルぐらいにあり、トンネルは地下15~40センチのところに掘られ、長さも長いもので200~300メートルにもなるらしい。この本道から地表に近い地下10~15センチのところにエサ場トンネルが作られていて、モグラ塚が見られるとのこと。モグラは、1日に何回となく往復しながらエサを捕食している。 - 紫色の小さな果実つけるこの木の名前は?
- ムラサキシキブ(紫式部)
ムラサキシキブは、落葉性の低木で樹高は2m~3m。秋に光沢のある紫色の小さな果実を葉の付け根あたりにまとめてつけるのが特徴。赤い実をつける日本の樹木は多いですが、紫色の果実をつけるものはそう多くないとのこと。名前の由来も、紫色の実が敷き詰められたように付く「むらさきしきみ」や紫色の実が茂る「むらさきしげみ」が訛ったものと、平安時代の女流作家『紫式部』からの2説があるようで、どちらかはわからないようです。