冬の磯遊びで、海藻観察を満喫しよう!!
冬の磯は、「磯遊び」としてはシーズンオフになる。12月ともなると、海水の温度が10℃以下まで下がり、磯の生き物たちを、昼の磯で見かけることが少なくなる。また、潮が引くのが夜になる。
しかし、冬の夜の磯は、冬にしか見られない生き物を見ることができる。その代表的な生き物が、「ダンゴウオ」だ。「ダンゴウオ」は、冬が旬で10cm程度の冬の浅瀬の磯で観察できる。
観音崎自然博物館で見た「ダンゴウオ」は、公園・施設⑳:観音崎自然博物館で紹介している。
しかしながら、冬の夜の磯は、干潮時間も深夜帯が多く足場が見えにくい。また、しっかりとした防寒具も必要になる。冬の子どもとの磯遊びは、晩冬から早春にかけて繁茂する「海藻」の観察を、冬の磯遊びの目的とするとおもしろいと思う。
ふつう磯遊びと言えば、カニ、ヤドカリ、貝や小魚を思い浮かべると思うが冬は違う。冬の磯は、さまざまな海藻が茂り、海岸にも多くの海藻が打ち上がる。風がない晴れている冬の海は、海水が澄んでいて夏とは違う海のすがたを見ることができる。
また、人も少なく海本来のすばらしいさを感じることができる季節でもある。冬の磯は、海藻天国の遊び場と変わる。春、夏、秋に興味を示さない海藻に目を向けて、海の富を楽しもう!!
以下に紹介している「三浦半島 立石」と「三浦半島 長者ヶ崎」で見た海藻は、次のページ「磯遊び(4):冬の磯2」で紹介する。
海藻の緑藻類は、どれもがクロロフィルa、クロロフィルbをもち、緑色(草色)だ。また、光合成により、デンプンを作る。海藻の緑藻類は、花が咲かないなどの性質はあるが、種子植物、シダ植物、コケ類などと同じ仲間だ。アオサ、アオノリ、カサノリ、サボテングサ、フサイワヅタ、ミルなどがある。
褐藻類は、クロロフィルaの他に、クロロフィルeとフコキサンチン(そうかっ素)という色素を含むので色が褐色。クロロフィルaを含むので光合成はするのだが、マンニトール、ラミナランという炭水化物をつくる。胞子にべん毛を持ち水中を泳ぐので、緑藻類とも紅藻類とも違う特徴を持つ。ウミトラノオ、コンブ、ヒジキ、ヒバマタ、ホンダワラ、モズク、ラッパモク、ワカメなどがある。
紅藻類は、フィコエリトリン(そう紅素)という色素をたくさん含んでいるので、ふつうは紅色。緑藻類がもっているクロロフィルaももっていて光合成をするが、しくみが違い紅そうデンプンという物質をつくる。紅藻類は、緑藻類とも褐藻類とも大きく違う。アサクサノリ、テングサなどがある。