薪と飯ごうで炊いたご飯は、アウトドア料理の最高峰だ!
薪と飯ごうでご飯を炊くのはキャンプの象徴的存在
(2016/03/21:青野原オートキャンプ場にて)
飯ごうは、昔のキャンプでは必需品のひとつだった。今では、コンロやバーナーが流通し飯ごうが必ず必要とはいえない時代になった。しかし今でも、薪と飯ごうで炊くご飯は、キャンプの楽しいアクティビティのひとつで象徴的な存在だと思う。現代でも、キャンプのイメージと言えば、テントとランタンそしてこの飯ごうで炊いたご飯が浮かぶのではないだろうか。 普段とは違う環境の中で普段とは違うご飯の炊き方をすることは、キャンプを良い思い出にしてくれること間違いなしだ。はじめは、飯ごうで炊くご飯が失敗してしまうこともあるし、薪の火加減などはそれなりに経験が必要になるのだが、そんなに難しいことでもないのでどんどんトライし、飯ごうでご飯を炊いてみて欲しい。失敗してできた多くのおこげもそれなりにおいしいものだ。 また、コンロやバーナーでも飯ごうでご飯が炊けるので薪が必須と言うものでもない。今では、薪で炊いたご飯のように炊ける炊飯器も発売されいて、以前よりもおいしいご飯を炊けるのも事実。しかし、ここはあえて薪と飯ごうでご飯を炊いてみたい。ご飯は、お米のでんぷんを水と熱の力によって糊化させたシンプルな食べ物。お米のうまみを最大限に引き出すには、どうやら炊飯時の温度変化と時間にあるらしい? おそらく薪で炊くごはんがおいしいのは、この温度変化と時間、そして熱の伝導に関係しているらしい。キャンプをするなら、炊飯器のスイッチを入れただけの簡単炊飯から少し手間をかけたご飯炊きも楽しいのではないかと思う。
飯ごうでのご飯の炊き方
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飯ごうの形は、とてもおもしろい形をしているがこの形がキャンプの雰囲気を高める。上から見て豆のような形をしている飯ごうは、兵式飯ごうと言って戦地でのご飯炊きに利用されたのが始まり。 この形には諸説あるようなのだが、飯ごうに火が均等にあたらない焚火での炊飯に適した形だそうだ。釜や鍋を使って焚火で炊くのが難しくても、兵式飯ごうなら意外と簡単に炊ける。 また、飯ごうには中蓋がついて、この中蓋はお米の計量器だ。中蓋すりきり1杯の米は2合となり、外蓋は3合となる。中蓋は、ご飯の盛りつけなどの器として使うものだと思っている人も多いと思うが、実際は米の計量カップなのだ。(飯ごうの説明書にも記述されている場合がある。) 1合 = 180ccとすれば液体の計量もできる。 |
飯ごうでのご飯の炊き方
①水で米を研ぐ
まず最初にやることは、飯ごうに水とお米を入れ米を研ぐ。研ぎ方は、米を握る感じで米を研いで行く。 これを何回か繰り返し、水のにごりがある程度なくなったらOK。完全には透き通らないのである程度、にごりが取れたら大丈夫。 また、飯ごうに蓋をして、そのまま飯ごう自体を揺さぶる(シャッフル)して米を研ぐこともできる。もちろん無洗米なら研ぐ必要はない。 研ぎ終わったら米を炊くための水を適量入れる。この水の適量の目安に、飯ごうの目印を利用する。 通常の飯ごうは4号炊き。飯ごうでご飯を炊くには水の分量が大きなポイントとなる。 飯ごうには水の分量の目印表示がある。飯ごうの中には、写真のように二つの分量目印があり、上の目印が4合時の水の量で、下の目印が2合時の水の量。3合時は、これらの目印の中間が水の分量目安だ。 また、お米に人差し指をつけて、第1関節ぐらいが、水の適量とも言われている。
②30分置程度、置く
米を研ぎ終わったら30分間程度置いておく。夏場なら約30分程度、冬なら約1時間程度。水を入れてからすぐ炊くと堅いご飯となってしまったりシンが残ったりする。 水につけて置く時間がない場合や短い場合は、水の量を少しだけ多く入れて炊く。 この放置プロセスは、シンプルなのだが欠かせないプロセスだ。また、水の分量は標高にも関係し標高1000m程度なら少し水を足す
③飯ごうを火にかけ炊きはじめる
準備ができたら飯ごうを火にかける。中蓋は利用しない。また、飯ごうの取っ手は、必ず上に向ける。取っ手が炎に熱せられてつかむことができなくなる。 炊き方は、よく言われる「初めちょろちょろ中パッパ」。 最初は、弱火ではじめ徐々に中火にしていき湯気が出てくるまで我慢する。湯気が出てきたら強火にし、飯ごうの蓋が蒸気で持ち上がり吹きこぼれてくるのを待つ。 吹きこぼれたら弱火にする。小石を蓋の上に置いて圧力を高めてやるのもいい。そのうち「ちりちり」「プチプチ」「パチパチ」という焼ける音がしたら炊き上がり。 本来は、炊き上がるまで蓋を開けないのだが、慣れないうちは、蓋を開けてご飯のようす確認するのでも良いと思う。炊き方の時間の目安は、人それぞれにさまざまな意見があるのだが、弱火5分→中火5分→強火5分→沸騰(飯ごうのふたの間からふきこぼれる状態)→弱火で12分~15分が大まかな目安。 ポイントは、「ふきこぼれた後に弱火にすること」だ。
④5分間~10分間蒸らしたら完成
炊き上がったら5分~10分程度蒸らす。この蒸らしはよく、「飯ごうを逆さにして底をたたく」と言われるが、理にはかなっているのだが、そのまま置いても問題はない。裏を叩くのも底が凹んでしまうので強制するものでもないと思う。 蒸らすときには、飯ごうを直接地面に置くことはせず、かまどなどの火床の脇に置き保温する。地面は、熱を吸収するので飯ごうが冷め十分に蒸らされない。
⑤後片付け
ご飯を炊いた後の飯ごうには、ご飯のこげなどがこびりづくので、水を飯ごうの中に入れておこう。また、消し炭(使い終わった炭)を使い、黒こげをこすってやると結構良く取れる。
焚き火の火加減
弱火 弱火は、炎が飯ごうの底からはみ出さない程度。 |
中火 中火は、炎が飯ごうの底から炎がはみ出す程度。 |
強火 強火は、炎が飯ごうを包みこむ程度。 |
飯ごう
兵式ハンゴー一般的ではないのだが、飯ごうと言えばこのエバニュー社の飯ごうなのだ。 作りがしっかりとしていて吹きこぼれが少ないとの評判。JIS規格アルミニウム、アルマイト加工処理、OD色焼付塗装。値段は少し高いが、満足度5をつける人が非常に多い製品だ。 |
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