公園のシンボル的存在「ウサの塔」
今回、先に紹介したウドーンターニーの「タレーブアデーン(紅い睡蓮の海)」へ行った帰りに「プー・プラ・バート歴史公園(Phu Phra Bat Historical Park/อุทยานประวัติศาสตร์ภูพระบาท)」に行って来ましたのでご紹介したいと思います。 プー・プラ・バート歴史公園は、ウドーンターニーの西部に位置しウドーンターニー市内から車で1時間程度で来れる広大な歴史公園で歴史的に価値がある場所とされています。プーは「山」、プラバートは「聖足跡」を意味していて「聖なる足跡の山」という意味になり今から10世紀前後には仏教の祭事場としても使われていたとのことです。 公園内では、浸食作用によって自然にできたキノコ型の奇岩や岩肌に赤い塗料で描かれた人物や動物などの3000年前に描かれた壁画を見ることができ先史時代の人々の営みを感じ知ることできます。 ここにある奇岩では昔、先史時代の人達が暮らし僧達は修行をしていたとのことです。 岩に彫られた摩崖仏などはスコータイ時代では見かけないスコータイ時代以前の仏像やスコータイ様式の特徴が表れている仏像などが混在しています。 公園は、全長約9km程度で3~4時間ほどですべてを見て回れます。駐車場からインフォメーションセンターへ行き入場料(100バーツ)を支払うと入場券と共にガイドマップを貰えます。 その後、入場ゲートへ向かい遊歩道で公園内を巡ります。遊歩道はほとんどが舗装されていてガイドマップを見ながら巡ることができます。公園内には売店やトイレがないので、駐車場付近の売店やトイレで用を済ませておく方が良いかと思います。 現在タイでは、プー・プラ・バート歴史公園を世界遺産候補すべく準備を進めています。今後、世界遺産に登録される可能性がある場所です。
公園のガイド
入口にある公園案内図
インフォメーションセンターへ行き入場料を支払うと入場券と共にガイドマップがもらえます。ガイドマップは、「タイ語版」と「英語版」がありました。 両ガイドブックには、地図が掲載されており公園にあるさまざまな見どころポイントの場所や奇岩の名称が掲載されています。 公園内の地図は、タイ語版の方が見やすかったですが読めないので英語版を利用しました。今回は、時間の関係でWat Louk Koeiなどお寺関係を回ることができませんでしたが8割は巡れたと思います。 早歩きで2時間程度でした。遊歩道は起伏がありますので、運動靴などハイキングスタイルが良いかと思います。公園には、ガイドなども頼めるようです。
プー・プラ・バート歴史公園のようす
公園のシンボル「ウサの塔」
最初に見れるのが公園のほぼ中央に位置する公園のシンボルともなっている「ウサの塔」と呼ばれる奇岩。 大きな岩が傘のようになっているキノコ形の岩で自然の力によって浸食がすすんだものです。 巨岩の下に窓のようなものが見え、巨岩とそれを支える岩の隙間に部屋があるように見えます。 クメール時代から3つの時代の人々が住んでいたようだと言われています。
「ウサの塔」周辺の奇岩
「ウサの塔」周辺の奇岩は、Heep Sobと言われるシェルターや生活の場の部屋として使われていたと言われているのですがどの岩がどの名前か記録するのを忘れました。 また、一部のうわの下には仏像がありました。 これらの奇岩群は、数百万年前に氷河で覆われていましたがその後の大きな気候変化により氷河が動き出し地表を削りさらに風雨の侵食などによっこれらの奇岩群ができ上がったと言われています。 これらの岩も下で寝るのも怖いですね?
さまざまな伝説がある「ウサの井戸」
「ウサの仏塔:Lady Usa's Stupa」
これがさまざまな伝説がある「ウサの井戸(Lady U-Sa's well)です。
岩に彫られたこの四角い穴はウサの井戸と呼ばれ今から1000年くらい前に作られたものと考えられています。
ウサと言われる美しい姫と二人の侍女が眠っていると言われる「ウサの仏塔(Lady Usa's Stupa)の奇岩も「ウサの塔」の背後にあります。
ウサの物語は、さまざまな言い伝えが存在しているようです。
昔ウドーンターニーを治めていた王が、ウサという美しい姫を隠し育てたという伝承などがあります。
ある伝説を要約すると、王様には子供ができず山の中の仙人に可愛らしい女の子がいるという噂を聞いて、山の仙人からこの娘をもらい「ウサ」と命名。
また歳月が流れ、ウサは美しい娘に成長しました。
王の王子は、このウサが気に入り自分の国に連れ帰りましたが、王と王子の闘いもありウサもふたたび仙人のところへ帰っていきました。
ウサはその後、重い病気にかかってしまい王子はウサが死ぬ間際に仙人のところにやってきました。
ウサの死を悲しんだ王子は、自ら命を絶ち、ウサの塔のすぐ横の岩にウサとともに葬られました。
本当かどうかは定かではないですが、なかなか興味が湧く話になっていて多くの伝説があることは確かなようです。
興味がある人は調べるてみると、これらの奇岩の見方が大きく変わってくるかと思います。
公園の頂上を目指す
ウサの井戸をすぎると今度は公園内で一番高い高台(頂上)に向かってあるき出します。 途中、途中にシェルターとなった奇岩があちらこちらに点在します。 頂上からは外界が見渡せます。正直どこの町かは定かではありませんが、公園内で一番疲れる山登りコースとなります。
頂上からゲートに向かい下る
頂上あたりから今度は入門ゲートに下ります。この下りは切り立った岩壁の中を歩いて下って行きます。 途中、山肌に大きな奇岩がいくかあります。この後半のコースの注目はやはり岩に描かれた壁画です。
壁画がある奇岩「Tham Khon」
後半の注目ポイントは、この奇岩「Tham Khon」に描かれた壁画です。一見なにもない奇岩にみえるのですが奇岩の凹みの部分に近づいてみてみてください。 この奇岩は、今から2500~3000年前の先史時代の人々の住居として利用されていました。 この奇岩の岩肌に、釣りや狩りをする人々の様子や、動物などを抽象化した絵や手形などが、赤い色で描かれています。 事前に知らないと、奇岩だなと思い壁画を見ることを見逃してしまいます。
後半も多くのキノコ型奇岩にあちらこちらに点在
壁画がある奇岩「Tham Khon」からゲートに向かうコースはひろびろとした平らな地が続いておりところどころに奇岩があります。 その昔これらの奇岩の下に人々が住んでいたかと思うと不思議な気持ちになります。
プー・プラ・バート歴史公園は、ウドーンターニーから約54キロメートル離れた所の山間に位置し公共機関がありません。 なので、自家用車、タクシー、チャータ車、レンタルバイクなどの乗り物でくいくしか無いと思います。 ときおりツアーもあるらしいですので、ツアーが見つかればツアーも良いかと思います。