日本人の心を安らげる日本の風景を求めて・・・「君の名は。」の飛騨聖地巡礼
飛騨古川駅(2017/05/05) 2017年のゴールデンウィークに奥飛騨温泉郷オートキャンプ場で、3泊4日のキャンプをした。数泊のキャンプでは、キャンプのみを楽しむのではなくキャンプ場周辺の観光を取り込むこともキャンプの楽しみのひとつ。今回は、奥飛騨とのことで少し足を延ばせば、飛騨高山、上高地、乗鞍、白川郷などの観光拠点に行ける。そこでありきたりの観光ではおもしろくないので、楽しく飛騨地方の自然を感じることができる「君の名は。」の飛騨地方における聖地巡礼を計画。「君の名は。」は、説明するまでもない日本国内で大ヒットした映画。2016年8月26日に公開された新海誠監督の映画で、飛騨地方の風景が登場する。「君の名は。」の聖地巡礼エリアとしては人気が高い飛騨古川を紹介していきたい。「君の名は。」の人気の理由のひとつに、ストーリーだけではない新海誠監督らしい都会の描写や街並み、日本古来のすばらしい田舎風景などが、鮮やかなアニメーションとして描かれている。架空の町とはいえ、日本人の心の中のどこかにある落ち着ける素朴な田舎の風景をこの映画で描き出していることも人気を高めたひとつかと思う。今回は、そんな日本人の心の中にある田舎風景や日本古来の伝統を感じる風景を飛騨高山の聖地巡礼で探していきたいと思う。 |
飛騨地方における「君の名は。」の聖地巡礼地
「君の名は。」の聖地巡礼地は、主に東京、長野、岐阜、広島の景観がよく使われている。他にも名古屋、秋田など所々に聖地巡礼地がある。人気がある風景は、やはり主人公の瀧が生活している東京と三葉が住んでいる山奥の架空の町「糸守町」の風景だ。特に、三葉が住んでいる糸守町は、飛騨地方の山奥をイメージして描かれているようで、岐阜県飛騨古川の景観が多く見られる。今回は、この人気が高い「糸守町」の中に出てくる「飛騨古川」の聖地巡礼をめぐってみた。インターネットでも多く発信されているので、「飛騨古川」での聖地巡礼場所はすぐにわかる。飛騨古川での聖地巡礼場所は、大きく7カ所。今回は、この7カ所に1カ所を加えた8カ所をめぐった。私たちのスタート地点が、奥飛騨温泉郷オートキャンプ場と飛騨古川からは1時間程度離れた場所だったので、飛騨古川駅から一番離れている「宮川落合バス停」からめぐりはじめた。私たちは、自家用車だったのでその後、飛騨古川駅裏の市営無料駐車場に車を駐車し②気多若宮神社→③飛騨古川駅舎内→④飛騨古川駅前ロータリー→⑤飛騨古川駅外観→⑥飛騨市図書館→⑦味処 古川の7カ所に、鳥居の一部が似ていると地元での聖地巡礼地になっている「小島稲荷神社」を加え8カ所を巡った。昼食を入れてほぼ5時間の聖地巡礼になった。飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」サイトで、【飛騨市版】映画「君の名は。」を探す旅!として飛騨古川の観光地も含めた聖地巡礼地コースが掲載されているので参考にしてほしい。
今回廻った舞台探訪(聖地巡礼)ポイント
※本マップは、飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」の「各スポット参考マップ」より引用しています。ポイント場所を説明しやすいように、Shizengate独自に、巡った順番にポジション番号を付加しています。:引用日:2017/05/05
①宮川落合のバス停:瀧が、がっくりしている場面
宮川落合のバス停は、瀧が色々な人に聞き込みをしても有力な情報が何も得られず、絶望の淵に立たされがっくりしている場面の場所。奥寺先輩と親友の藤井司は、そんな瀧を見て何とか希望を持ってもらえるように励ます場面が思い浮かぶ場所だ。実際のバス停は、映画よりも幅が狭い。宮川落合のバス停へは、JR角川駅から北へ進み河合橋を渡って左折150m程歩いた場所にあり、歩いて10分(500m)ほどのところにある。ただし、電車が3時間に1本程度なので便が悪い。車だと飛騨古川駅周辺から約30分~40分程度は、かかる。宮川落合のバス停は、現在は使われていないようだが、地元のスクールバスなどが利用しているとのこと。バス停の内部には、ポスターや張り紙が貼られ聖地巡礼ノートも置いてある。宮川落合のバス停は、飛騨古川駅同様、映画公開前のポスターに掲載され早々に特定されていた場所だ。 |
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映画のバス停 場面 |
宮川落合のバス停 |
②気多若宮神社:町の人に瀧が聞き込みする場面
気多若宮神社は、瀧が飛騨の町中を三葉を探しだすために町の人に聞き込みをした場所です。地元の人に糸守湖の写真を見せながら場所を聞いていた場面が脳裏に浮かびます。神社へと続く階段が、映画では綺麗に描かれていますが、映画の階段の方が角度が急になっています。三葉の実家で、妹の四葉と共に巫女として支えていた宮水神社のモデルは、気多若宮神社という意見が多いのですが、飛騨山王宮日枝神社であるとの意見も多く定かではありません。宮水神社のモデルは、「気多若宮神社」と「飛騨山王宮日枝神社」や他の神社を掛け合わせたものだとする説が妥当かと思います。宮水神社自体が存在しない神社なのでモデルになっているのは事実だとだと思います。灯籠は、気多若宮神社がモデルになっていると思います。気多若宮神社は、公式発表されている場所なのでモデルになっていることは確実です。気多若宮神社へは、飛騨古川駅から歩いて行けます。 |
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町の人に瀧が聞き込みする場面 |
気多若宮神社 |
③飛騨古川駅舎内:名古屋から辿り着く駅の待合室
飛騨古川駅舎内は、瀧、奥寺先輩、藤井司の3人たちが、三葉を探しに名古屋から「ワイドビューひだ」に乗って辿り着く駅です。駅のホームから駅舎の待合室に入ると飛騨牛のマスコットキャラクター「ひだくろ」が登場する場面で、駅に到着した一行が飛騨牛の「ひだくろ」に喜んでいる場面に使われています。実際に着ぐるみはいませんが、パネルは置いてあります。映画では、左側に売店らしきものが見えますが、飛騨古川駅の売店は、別な場所にあります。 |
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辿り着く駅の待合室場面 |
飛騨古川駅舎内 |
④飛騨古川駅前ロータリー:糸守町の情報を聞き込みをする場面
飛騨古川駅前ロータリーは、瀧が糸守町の情報を集める為に絵を見せながら聞き込みをする場面でつかわれている場所です。映画では、ここで瀧がタクシーの運転手に糸守湖の写真を見せて場所を聞いています。映画で使われているタクシー会社「宮川タクシー」は、実在します。この場所も、ほとんど映画と実物が同じです。 |
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絵を見せながら聞き込みをする場面 |
飛騨古川駅前ロータリー |
⑤飛騨古川駅外観:跨線橋から見た駅の場面
飛騨古川駅外観は、映画公開前に作成されたポスターにも掲載され、飛騨方面へ多くの巡礼者が訪れるきっかけにもなった場所です。瀧と奥寺先輩と藤井司の3人が三葉を探しに飛騨へ降り立った駅で一行がホームの跨線橋を渡っていく場面に使われています。映画と現実が一致し、駅背後の山の情景も細かく描かれているので人気の巡礼地になっています。しかも、同じアングルで撮影できるポイントがあり、電車の時刻表なども貼ってあります。このポイントは、駅の西側にある跨線橋から見た景観なのですが、橋の窓に柵があるので少々写真が撮りづらいかもしれませんが、撮影するための踏み台が設置されています。飛騨古川駅で映画と同じ位置に列車停まるのは、一日に一回。9:57~10:01の4分間とのこと。ただし、列車は映画に出てくる「特急ワイドビューひだ」ではなく普通列車とのこと。映画に出てくる駅構内は、岐阜県飛騨市のJR東海高山本線の高山駅がモデルの様で少し違います。奥にホームを渡るもうひ一つの跨線橋が見えますが、ホームからこの跨線橋をアップで写した場面もでてきます。 |
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跨線橋から見た駅の場面 |
跨線橋から見た飛騨古川駅 |
場面に出てくるもう一つの跨線橋 |
駅全体が見れる人気の跨線橋 |
⑥飛騨市図書館:瀧らが糸守について調べた図書館の場面
飛騨市図書館は、瀧らが糸守について調べた図書館。今では、聖地巡礼地としてはずせない場所になっていて、映画でも重要な場面に使われています。瀧が彗星落下による大惨事の起きた糸守について調べていた席も、図書館内にあります。実際には「古川図書館」の表記文字板はありません。飛騨市図書館では、いくつかの条件がありますが受付で事前に撮影許可さえ取れば、撮影OKという優しい対応です。 館内には、「君の名は。」の特設コーナーもあり落ち着いた雰囲気の図書館です。 |
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糸守について調べた図書館の場面 |
飛騨市図書館 |
糸守について調べた図書館内の場面 |
飛騨市図書館内 |
⑦味処 古川:奥寺先輩、藤井司が五平餅を食べている場面
味処 古川は、奥寺先輩、藤井司が五平餅を食べていたモデルの店で古い町並みの中にあります。公式発表はされていませんが、店の中に当店がモデルになっているとの張り紙がありました。食べていた場所は、店の正面から見て左手になります。飛騨古川には、五平餅を販売している店が2軒あります。古くからこの町で五平餅を販売している岡田屋と映画の場面で格子状の背景が似ているこの味処古川です。 |
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五平餅を食べている場面 |
味処 古川 |
⑧小島稲荷神社:宮水神社の鳥居のモデル?
宮水神社についてのモデル地については、高山市の「日枝神社」が有力なのですがどこか雰囲気が違うような感じがします。気多和宮神社を訪れた時、地元の人が作った「君の名は。」の聖地マップに「小島稲荷神社」と記入されていたので行ってみることにしました。インターネットでも、「君の名は。」の聖地としては名前がほぼ上げられてない場所です。 映画に出てくる宮水神社の鳥居の形と木々の配置がかなり似ている。奥に鳥居が見えている部分が、小島稲荷神社にもあり一致しています。個人的には、「日枝神社」の鳥居より似ていると思います。小島稲荷神社には、石段と灯籠がなく、宮水神社には縄がありません。実際には「日枝神社」「気多宮神社」なども組み合わせて造られたのが宮水神社ではないかと思います。小島稲荷神社の鳥居から飛騨古川町を観る雰囲気も何となく映画に似ています。 |
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映画での宮水神社の鳥居 |
小島稲荷神社 |