東京と思えない自然の中で、紅葉と温泉を楽しむ
秋川渓谷「石舟橋」から見た紅葉
関東では、11月下旬ともなると標高の高い場所の紅葉が散り始め都心に向かって紅葉前線が降りてくる。今回の11下旬、紅葉を見に行った場所は、東京都あきる野市にある「秋川渓谷」。秋川渓谷は、例年11月中旬ごろから12月上旬にかけて紅葉する。 赤色や黄色が山の緑色の常葉樹と調和したすばらしいコントラストの紅葉となる。秋川渓谷は、多摩川水系の中で一番大きな秋川がつくった渓谷で、東京都あきる野市の山田堰付近から上流の西多摩郡檜原村の南秋川・北秋川までの約20kmの渓谷エリアを指す。 秋川渓谷は、東京とは思えないほどの豊かな自然が残り、秋の紅葉を楽しませてくれる。澄んだ空気と川のせせらぎを聞きながらマイナスイオンに包まれて見る紅葉は、ここが東京であることを忘れさせる。 この秋川渓谷を代表する紅葉の人気スポットのひとつが、「石舟橋」だ。秋川渓谷には複数の橋があり、「石舟橋」は絶景ポイントとして多くの人が訪れる。「石舟橋」は、舟の形をした96mの長さがある吊橋で秋川渓谷を題材にした映画「五日市物語」の舞台にもなった場所。 石舟橋が人気ある理由がもうひとつあるりそれは温泉。檜原街道の十里木交差点から「石舟橋」をわたると、秋川渓谷を代表する日帰り温泉「瀬音の湯」に通じる。子どもは、紅葉だけだと飽きてしまう場合が多い。そこで、子供も楽しめる何らかのイベントをもみじ狩りを組み込みたい。 今回は、秋川渓谷のもみじ狩りと「瀬音の湯」を楽しむ「紅葉と温泉」をテーマにし、石舟橋付近の紅葉と温泉を紹介する。
今回もみじ狩りを楽しんだ秋川渓谷「瀬音の湯」から「石舟橋」の散策ルート
今回のもみじ狩りの散策ルートは、上記地図のオレンジ色のルート。「瀬音の湯」の駐車場に車を駐車し、「瀬音の湯」の前を通り林の中の散策路を歩き「石舟橋」まで行く。「石舟橋」を渡り終えた檜原街道側の展望デッキで折り返し「瀬音の湯」で、お風呂と昼食を楽しんだ。散策の時間は、ゆっくり歩いても30分から1時間以内。 子どもも疲れずに橋と渓谷を背景とするすばらしい紅葉の光景を見ることができる気楽なコースだ。今回は、駐車場の入口から少し先の山肌の林の紅葉がきれいだったので、この紅葉も楽しんだ。
秋川渓谷「石舟橋」付近の紅葉
「瀬音の湯」から林の中の散策路を通り「石舟橋」へ
個人的感想なのだが、秋川渓谷の「石舟橋」付近の紅葉は目の前にぱっと赤色や黄色の紅葉風景があふれる光景ではない。紅葉しない常葉樹の緑色の中に、赤色やイチョウの黄色がバランスよく所々に散りばめられている緑と紅葉のコントラストを楽しむ紅葉風景だと思う。 渓谷の河岸が、秋の日を浴びると輝く紅葉が浮いてくるように見える。遠くに見える山肌は、緑の中でパッチワークのように紅葉が混じる光景がすばらしい。
「瀬音の湯」の石舟橋入口側の紅葉
林の散策路の紅葉
「石舟橋」
「石舟橋」の全景
檜原街道側の展望デッキ
「石舟橋」上流側を見た風景
「石舟橋」下流側を見た風景
自然の風景とともに源泉掛け流しの温泉が楽しめる「秋川渓谷 瀬音の湯」
秋川渓谷の「瀬音の湯」は、日帰り温泉施設と宿泊のコテージがある施設。 地下1,500mから湧き出ているpH10.1の高アルカリ泉。源泉掛け流しの内風呂と露天風呂があり施設の外側には、無料の足湯もあり散策の疲れを癒すことができ夜には、満点の星を仰ぐことができる。 また、「瀬音の湯」の宿泊コテージは、温泉棟から離れた場所にあり渓谷の森林と秋川のせせらぎを聞きながら秋川渓谷で一夜を過ごすことができ、家族連れ、グループ、釣り人に人気がある。 駐車場の入口より先の山林の紅葉は見事。さまざまな木々の紅葉が織り成す錦秋の風景が、見られるスポットだ。敷地の外縁部から河岸に向かう尾根は、真っ赤なモミジが多くあり、その中にイチョウ、クヌギやコナラといった落葉樹の黄葉が交じり合う。 このポイントは、紅葉風景としての絶景ポイントなのかもしれない。
「秋川渓谷 瀬音の湯」
瀬音の湯
瀬音の湯は、「温泉」「食事処」「宿泊」「物産販売」の4つの施設からなり、紅葉時はかなり込み合い駐車場の待ちも発生する。
無料で利用できる足湯
瀬音の湯の前に、無料の足湯施設がある。10:00~22:00まで利用可能で、もみじ狩りの疲れをとるのに都合がいい。
物産販売店
近隣農家から毎朝届けられる新鮮な『朝採り野菜』を中心に、周辺地域の特産品などが売られている。良いおみやげが見つかるかも?
宿泊コテージ
温泉棟から50m程離れた場所の山の斜面にある宿泊コテージ。秋川渓谷の深々とした山々に囲まれ、川のせせらぎが聞こえる。
カフェと休憩所
食事処は、眺望豊かなレストランと簡単な食事ができるカフェ「せせらぎ」そして奥に休憩所がある。
森のテラス
食事処の外側に中庭を見ながら休憩ができる「森のテラス」がある。なぜか、子どもがゲームをしている光景が現代の象徴のよう。
尾根が紅葉を生かす
駐車場の入口より先の尾根の紅葉は見事。正直「石舟橋」の紅葉よりも見事だった。赤色と黄色の絶妙なバランスがいい。
赤・黄色の共演
赤のモミジを中心にクヌギやコナラの落葉樹の黄色い葉が、日差しをあびて輝く様子が秋川渓谷の真の紅葉だ。
今回見れた主な紅葉
イロハモミジ
イロハモミジは、紅葉の代表格であるモミジの中で代表的なモミジ。あざやかな赤色の葉が、紅葉のあざやかさを左右させる。長さ5cmから6cmほどの葉が、5つか7つに裂けて形になっている。
様々な葉の色が混じったイロハモミジ
様々な葉の色が混じったイロハモミジがあったの撮影。色が変化していくことで秋の深まりのスピードもわかる。
コナラ
コナラは、雑木林の主要な木で、標高の高いところに多い。紅葉時の葉は、黄色から黄褐色になることが多い。木によっては、黄色になったり赤色になったりする。山の紅葉を飾る主な木のひとつだ。
クヌギ
クヌギは、コナラとともに里山を代表する木。秋には丸く大きなドングリをつける。紅葉は、黄黄色から黄褐色になることが多い。標高の高いところに多い。紅葉時の葉は、黄色から黄褐色になることが多い。
秋川渓谷 瀬音の湯の宿泊コテージ
秋川渓谷瀬音の湯は、身近な東京都内で森林浴と温泉浴が同時に楽しめるオアシス。国内屈指のPH10.1のアルカリ単純硫黄温泉で肌がつるつるする美肌の湯。
秋川渓谷周辺の宿
秋川渓谷には温泉がほとんどなく宿泊する宿も少ない。先に紹介した「瀬音の湯」は貴重な存在だ。いくつかの宿泊先があるので紹介する。
別荘旅館 錦江閣
秋川渓谷 別荘旅館 錦江閣は、全室はなれの別荘風旅館。「醤油の匠」賞を受賞した皇室御用達の宿で四季折々に楽しめる和会席と名物「楽満焼」が楽しめる。漢方を使った芯から温まる「薫風風呂」がある。
観光旅館 本陣
観光旅館 本陣は、心やすまる秋川渓谷の宿。渓谷の間近にあり秋川渓谷を存分に楽しめる宿で、心のこもったお料理が食べられる。お風呂は、肌に優しい超軟水風呂で24時間入浴ができる。川音を聞きながらの朝風呂が抜群。
兜家旅館
兜家旅館は、古民家を活かした茅葺き屋根の宿。築200年の木造4階建て兜式入母屋造りの建物が魅力。山菜、川魚、猪など奥多摩ならではの素材の料理も格別。囲炉裏の部屋でやかやぶき屋根、入口から受付までの立体感、土間での餅つきなど、旅情をわきたてる空間。