岸壁、堤防から流れ藻をすくってみよう!

岸壁での生き物観察の画像02

漁港の岸壁から流れ藻をすくう

岸壁採集と言う言葉が、一般的なのか違うかは知らないですが、磯遊び、釣り以外でも海の生き物を採集したり観察したりすることができる。それが、この岸壁採集。岸壁採集は、漁港などの岸壁や堤防から網を使って生き物をすくう方法。この岸壁採集を楽しんでいる人も多い。一見地味そうなのですが、漁港での採集はタイドプールとほぼ同程度のおもしろさがあると思う。特に、岸壁によせられた「流れ藻の中」や隅にたまった「ゴミの中」に、多くの生き物がいる。もちろん、目の前で泳いでいる魚をすくうこともできるのだが、結構すくうのが難しい。子どもと岸壁採集を楽しむのなら、「流れ藻」、「ゴミ」を網ですくって、その中にいる生き物を探す方が簡単。
岸壁採集は、海に入らずだれでもが簡単にできるが、柄の長い網が必要になる。柄が伸縮する玉網などを利用すればいい。玉網は、長くて網目が細い物がいいのだが、市販されている玉網は、長くなればなるほど、大きくなればなるほど網目が大きくなってしまう。本格的に楽しんでいる人は、網目の小さいものに交換するなどの工夫をしている。また、逆に網目が細かいものを選ぶと水中での抵抗が大きくなり魚を採取しにくくなる欠点もある。これらを踏まえて、自分たちにあった玉網を選んで楽しんで欲しい。漁港などは、船がたくさん舫ってあるし、採取中に船が帰ってくる事もあるので、周りを良く見ながら採取、観察をすることが大事。また、すくい上げた流れ藻やゴミは、すくったままにせず基に戻し迷惑をかけないことを心がけることが大切だ。
岸壁採取では、幼魚系が多い。ハコフグ、ツバメウオ、チョウチョウウオなどの幼魚を採取することができる。他に、流れ藻などには、イシダイの幼魚、ハナオコゼ、タツノオトシゴ、アミモンガラの幼魚などが見れる。

冬の岸壁採取

漁港の岸壁(冬)

この岸壁での生き物観察(1)は、この2014年1月からはじめたので、冬の岸壁採取から紹介する。冬なので、生き物は少ないが2014年1月に、「三戸浜堤防」で観察できたものを紹介する。

岸壁での生き物観察の画像03

流れ藻の中に、生き物がいるはず?

今回は、玉網で岸壁からすくった「流れ藻」をすくってその中から生き物を探すことと、海藻の表面を玉網でなめるようすくってみて網の中に生き物がいるかを探ってみた。冬の夕暮れ時の1時間程度だったのであまり採取できなかったが、結果的には2種類の生き物を観察することができた。それでも、子どもたちは楽しかったようだ

岸壁での生き物観察の画像04

岸壁上と海面の高さ

今回は、写真の通り岸壁の上から海面までは1mもなかった状態。とてもすくいやすかった。

岸壁での生き物観察の画像24

海藻表面に網を動かした結果

何やらどじょうなな生き物が数匹いた。これが、「ギンポの幼魚」。

岸壁での生き物観察の画像25

ギンポの幼魚

今回は、ギンポの幼魚を多く観察した。

今回観察できた生き物

今回は、冬ということもあり採取、観察できたのは2種類。 ギンポの幼魚ハナオコゼだ。

ギンポの幼魚画像01

ギンポの幼魚

ギンポの幼魚画像02

ギンポの幼魚の尾

ギンポは、ニシキギンポ科に属する魚で、日本本土沿岸の内湾や藻場に生息。成魚は、20~25cm、側扁した細長い体に黄褐色系のまだら模様がある。岸壁から網でこそぎとると、10cmくらいのギンポの幼魚がニョロニョロでてくるのが発見できる。今回も、このパターン。ギンポは、冬季に抱卵し春先になると幼魚がごく浅場に躍り出る。春先に浅瀬の海藻を揺さぶるとたくさんのギンポの幼魚が泳ぎだす。今回は、冬なのだが多くのギンポの幼魚が見られた。隠れている海藻や海草の色にあわせて、体色が変化し成長しながらまだら模様がはっきりしてくる。ギンポは、卵をおにぎりのような形にかためて産み体で卵ヲまいて、敵から守る。干潟のやや大きな石をとりのぞくと、これらの光景が見られたのだが、干潟が減少し今ではあまり見られなくなったとのこと。体に、するどいトゲがある低い背びれがあるので、さわるときには注意を!

ハナオコゼの画像01

ハナオコゼ

ハナオコゼの画像02

ハナオコゼの全体

網の中をのぞいたら、おもしろい生き物がいた。小さいのだがアンコウのような形をした魚。調べてみれば、これが「ハナオコゼ」。おそらく小さいので幼魚なのだろう。「ハナオコゼ」は、カエルアンコウ科ハナオコゼ属の魚なのでアンコウに似ている形なのだろう。主に流れ藻に生息するので、今回の流れ藻採取で発見されやすい魚だ。成長すると20cm程度までになる。体色は変化に富む。普通は、黄・緑・茶の斑紋が入り、鰭には暗色の縞が入る。全身を海藻に似た突起が覆っている。待ち伏せしてえさを取る肉食性で、口を大きく開くと、自身と同じ位の獲物でも吸い込むことができる。また、流れ藻の中で生活するので、海藻の茎にしがみ付いたりよじ登ったりすることができる。

スポンサーリンク

ページの先頭へ